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アウトドアウェアの基礎 ベースレイヤー編② メリノウールは生物の進化の結晶。調湿・断熱・防臭と山着に理想のスペックを兼ね揃えている。 

メリノウールの特性

冬山で遭難した時に肌着きウールの着用の有無が生死を決定づける言われる程ウールには保温効果があります。ただ暖かいだけでなく調湿性、断熱性、吸着熱というウール特有の特性が冬山登山にマッチしているのです。

アウトドアスポーツという過酷な環境下では耐久性能や速乾性能がより求められることもありそれに秀でている化繊と比べると一長一短ありますので状況に応じて使い分けましょう。

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メリノウールとは

メリノウールとはメリノ種の羊から取れるウールでありニュージーランド産やオーストラリア産が有名。一般的なウールよりも繊維が細くて柔らかいのが特徴で、包み込まれるような温かさで抜群の着心地が魅力の高級素材です。 

調温性

夏は涼しく冬は暖かい。一見矛盾するのような機能ですが、事実メリノウールはその繊維の独自の構造により可能にしています。メリノウールの下着が「着る天然のエアコン」と呼ばれる所以です。断熱効果、吸着熱、調湿機能がうまく機能しあうことで効力を発揮します。

断熱効果

ウールの繊維は一本一本が縮れていて空気を含みやすい。ウールの約6割が空気で出来ています。この空気層が外気温を遮断する為夏は涼しくて冬は暖かいのです。家の断熱材と一緒の原理ですね。しかし家の断熱材や魔法瓶のように完全に遮断しているわけではないので、あくまでソフトな断熱です。過信には注意しましょう。

吸着熱

繊維には吸着熱という性質があります。空気中の水蒸気が繊維に吸着し水に変化する際に凝縮熱を発生させる為です。気化熱の逆と考えると分かりやすいですね。

中学校の理科でやったあれです。物質の三態です。水が水蒸気に気化する際にエネルを必要とする為周りの熱エネルギーを奪うため結果涼しくなるあれです。

凝縮は気化の逆です。気体が液体に変化する際に余分なエネルギーを放出する際に周囲が暖かくなります。ポイントは気体からの凝縮なので雨で濡れた場合は機能しません。主に体表の汗を凝縮させて熱を発生させます。

汗というと体表の玉のような汗を連想しますが、実際には汗腺から水蒸気状の汗も放出されています。それを凝縮します。雪山で濡れた状態で冷風に吹かれても、ウールならかき続ける汗を凝縮熱に変えて、汗冷えを最小限に留めることができます。

調湿機能

吸湿性が高く、化繊の40倍もあるため、冬場も乾燥させません。特に乾燥肌の人には良いです。夏汗をかいても適度に湿り気をコントロールしてくれるため、サラサラしていて嫌な感じはせず、一度着ると戻れなくなる着心地です。

ウールの表面はスケールと呼ばれる薄いウロコ状の被膜で覆われています。このスケールは水を弾き、水蒸気は取り込んだり放出したりする特殊な性質を持っています。まるで呼吸するかのように湿度をコントロールするためウールは生きる繊維と呼ばれています。

高湿度の環境では余剰な湿気を外に放湿し、外気が乾燥している際には周囲からの水蒸気を維持し乾燥しすぎないようにコントロールしてくれます。

冬山では断熱効果+吸着熱+調質機能のマルチコンボで汗冷えから体を守ります。大量に発汗しても速やかに吸水・吸湿し吸着熱により汗冷えを緩和します。冷たい外気もソフト断熱し吸着熱とダブルで冷えを抑制するのです。

天然の防臭効果

雪山で遭難しなくても重量の関係で同じ肌着を連日着続ける機会があると思います。メリノウールに関して言えば1週間くらいは着続けても匂いが気になりません。(気になる度合いは個人差がありますが)

体臭の原因はバクテリアの増殖だと言われています。汗による湿気と体温の温暖な環境がバクテリアを増殖させ、その老廃物(糞尿)の揮発性脂肪酸が匂いの原因と考えられます。

ウールが持つ特殊な繊維構造はこのバクテリアの定着と増殖を抑制するため匂い辛いのと考えられています。

また汗が蒸発する際に匂いの元となる物質がウール内に取り込まれ、無臭の部分のみ蒸発するので匂わないとも言われています。この時に取り込まれた匂いの物質は洗濯時に流水とともに流れていくみたいなので心配ご無用です。

天然素材の着心地の良さ

コットンに次ぐ着心地の良さが売りです。ウールはタンパク質からできているので人の肌にとても近いです。そのため化繊と肌が合わない人や子供にも安心して着せられます。私は敏感肌なので冬場化繊肌着を着続けると荒れてひび割れします。冬は好んでメリノウールを着用しています。

弱点

生地が弱い

耐久性が低いため、摩耗し易く穴が開きやすいです。ダマになったり擦れて薄くなります。藪をかき分けて進むようなトレイルランニング、重たい装備を担いで連泊するようなアクティビティーを行う方には化繊のほうが向いている場面もあるでしょう。下着の着替えを持ち運ぶ余裕があれば化繊もウールも両方持って行くと良いかも!

高価

メリノウールは高級素材なので化繊と比べると非常に高価です。だいたい定価で8千円前後、特殊加工されたものは2万円近くするものもあります。一生懸命クリアランスセール品を漁りますがそれでも5千円はしますね。

 

こうしてみるとメリノウールがいかに優秀な素材であるかが分かりますね。

夏は断熱・気化熱で涼しく、冬は断熱・吸着熱で暖かい。それでいて一度着てしまうともう化繊にはもう戻れない着心地の良さがメリノウールにはあります。価格が高いのが玉に傷ですが高いだけのメリットがメリノウールにはあります。山で着用はもちろんですが街着にももってこいです。夏場も外では涼しいし、エアコンが利いてる室内もOK。温度差をソフトに緩和してくれます。もちろん冬場での保温効果も抜群です。

私も最初は化繊を使用していたのですがメリノウールの虜になってからは化繊を購入してません(笑)敏感肌という理由もありますが。。

 

モンベル スーパーメリノウールLW

もう3年着ています。若干よれてからは通勤着と化しています。保温性と保湿性が絶妙で、通勤時にこれを着ない日は朝から憂鬱、、は言い過ぎですが着心地が半端なく、毎日これを着たいです。乾燥肌の私にはマストアイテムで、肌荒れがしづらいです。

ウールは化繊と違いたんぱく質でできており、肌に近い成分なのと、速乾性が化繊より劣るため乾燥させ過ぎないのが着心地の良さのポイントです。

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モンベル スーパーメリノウール LW 薄手

LWは薄手という意味です。透けて反対側が見えるほどですが、しっかり保温してくれます。程よくストレッチし、肌に吸い付いてくるような感覚です。

5千円近くする為、通勤用肌着を全てこれにはできませんが、それに見合う価格だと思います。

 

スマートウール メリノウールシャツ

アイスブレーカー、アイベックスや他のアウトドアブランドメーカーがこぞって売り出しているメリノウールのベースレイヤー。個人的にはスマートウール押しです。理由は私の肌に合っているからです。

汗をかきやすいところに通気性の良いスカスカな生地をマッピングしたり、手先まで保温できるようにサムホールがついていたりと細かいところに配慮があります。

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スマートウール 薄手
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襟や脇の通気性を増すため疎に紡いだウールをマッピング

 

アークテリクス サトロAR

最後に化繊とメリノウールの良いとこ取りした製品です。このウールと化繊の混紡素材はウールのメリットである、保温性、保湿性、防臭効果、着心地を維持したまま、弱点であった耐久性と高めています。金額も高めています。

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アークテリクス サトロAR

ストレッチ性が増したため、着心地は異次元の世界へ。メリノウールを超えた着心地です。更に脇部に立体裁断が施されており、腕を上げても服がまくれない、突っ張らない。クライミングギア発祥のアークテリクスならではの配慮と言えます。サトロの混紡率はウール81%、ナイロン12%、ポリウレタン7%とウールの比率が高い為、ウールの特性が色濃く出ている気がします。ストレッチ性はポリウレタンのおかげでしょうか。